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司法書士がわかりやすく詳しく解説します!

抵当権抹消登記 放置のリスク

抵当権抹消登記とは何か?抵当権抹消登記を放置しているとどのようなリスクがあるのかを25万件を超える実績を持つ司法書士がわかりやすく説明いたします。

抵当権抹消登記とは?

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住宅ローンを組むとき

抵当権とは、債務者の返済が滞ってしまった際に債権者(主に金融機関)が物件を自由に競売す ることができる権利です(俗に言う担保のひとつです)。

住宅ローンの多くは、ご住居に抵当権をつけ、登記することを融資条件にしています。この場合、 ご住居には抵当権を設定する登記の手続きが必要になります。

古い話なので、ご記憶が曖昧かもしれませんが、ご住居の登記簿に抵当権が掲載されていると、 住宅ローンを組んだ当時、所有者が債権者(主に金融機関)と協力して抵当権の手続きを行っていたことがわかります。

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住宅ローンを完済するとき

債務(住宅ローン)を完済した場合、抵当権は消滅します。しかし、登記簿に記録された抵当権は 自動的に消滅するわけではありません。抵当権の記録を消す手続きが必要になります。これが抵当権抹消登記です。

住宅ローンの多くは、所有者(又は債務者)が抵当権抹消登記の費用を負担する契約(融資条件)になっています。従いまして、所有者の方が抵当権抹消登記の手続きを進める必要があります。

抵当権抹消登記放置のリスク1

完済していないと誤解される!?

抵当権抹消登記が必要なのはわかるけど、そのうちやろう。と思っている方も多々いらっしゃるかと思います。しかし、抵当権抹消登記は迅速に手続きすることをお勧めします。抵当権抹消登記を放置すると思わぬリスクが起こり得るのです。

完済していないと誤解?

抵当権抹消登記を行わないと、登記簿に抵当権が記録されたままとなりますので、第三者か ら抵当権はまだ有効だと見られてしまいます。

売れない?借りれない?

抵当権は自由に競売できる権利ですので、競売される可能性のある不動産を購入しようとする人はいません。また、競売される可能性のある不動産を担保とする金融機関は通常いません。
このように、たとえローンを完済していても、抵当権抹消登記を放置すると、売却できませんし、あらたにローンを組むこともできないのです。

相続人も混乱!

また、相続が発生した際、抵当権抹消登記を放置したことを知らない相続人が登記簿を見てロ ーンを完済していないと勘違いし、混乱するという事例も多々あります。
思わぬ混乱を避けるためにも抵当権抹消登記は迅速に手続きすることをお勧めします。

抵当権抹消登記放置のリスク2

金融機関の追加書類は大変!?

住居を売る予定もないし、ローンを組む予定もないから、抵当権抹消登記をしなくても問題ないよ。と思うかもしれません。しかし、安心はできません。抵当権抹消登記を放置すると、金融機関側の追加書類が必要となり予想外の負担を強いられるリスクがあります。

金融機関の書類が足りない!

ローン完済時、金融機関から抵当権抹消登記に必要な書類が交付されます。しかし、抵当権抹 消登記を放置しているうちに金融機関側の代表者の変更や企業再編などの変化があると、追加で書類が必要になります。
そうなると、金融機関側に書類を再度依頼しなければなりませんし、抵当権抹消登記の申請の際、追加で対応しなければいけないことも発生し、負担が増えてしまいます。抵当権抹消登記を放置すれば放置するほど、負担が増えるリスクが上がるのです。

金融機関の所在がつかめない!

安心できる金融機関でお借り入れの場合はご心配は不要ですが、ローンを組んだ金融機関が事業を閉鎖してしまって事業者の所在がつかめないという事例もありました。
このとき、最終的には裁判で抵当権抹消登記手続きを行う判決をもらい、ようやく抵当権抹消登記を完了させることができました。このように予想外に負担が大きくなった事例もあるのです。
思わぬ負担が増える前に抵当権抹消登記の手続きを完了させてしまいましょう。

抵当権抹消登記放置のリスク3

自分の住所変更が証明できない!?

安心できる金融機関のローンを組んでいたから、いざというときもレスポンスよく対応してくれるし、大丈夫。とお考えの方もいらっしゃるかと思います。しかし、まだまだ油断は禁物です。ご自身のご住所の記載によっては思わぬ負担がかかるケースもあるのです。

引っ越ししていなくても住所変更が必要?

現在のご住所と登記簿上のご住所が一致しない場合、抵当権抹消登記の前に、住所変更の登記 が必要になります。
この住所変更の登記は、引っ越しされていなくても、区画整理などで町名・地番が変更した場合でも必要になります。
また、住宅ローンを組んだ時点では新しいご住居に引っ越していないため、昔の住所で登記されて、そのままにしている方は多々いらっしゃいます。この場合も現在の住所に変更する登記が必要になります。
このように住宅ローンの対象の住居から引っ越しをしていなくても抵当権抹消登記の際に、住所変更の登記が必要な方は意外にも多くいらっしゃるのです。

自分の過去の住所が証明できない!

住所変更の登記には、登記簿上のご住所から現在のご住所までの履歴がわかる公的書類が必要になります。
公的書類とは、住民票や役所発行の証明書です。
これら公的書類に、前住所として登記簿上のご住所が記載されていないと、過去に遡って昔の 住民票などを取り寄せる必要があります。

この際、注意が必要なのが役所の保管期間です。現在は改正(2019年~)されていますが、以 前は、市外へ住民票を移した方の住民票(除住民票)は5年を経過すると破棄する決まりとなっていたのです。

つまり、市外へ住民票を移して、既に5年以上経過している場合、古い住民票を取得できない 可能性があるのです。
この場合、戸籍の附票と言う本籍地の役所で保管する住所の記録を取り寄せますが、こちらも本籍地を移してから5年を経過すると破棄するルールになっていましたので、同様に取得できない可能性があります。「改製原附票」も同様に破棄されている可能性があります。

こうなると、住所変更の登記で法律上必要とされる書類を提出することができなくなるので す。

法務局によって異なる書類!?

このような登記簿上の住所と現在の住所の履歴を公的書類で証明できないケースは、法務局によって取り扱いが異なります。
権利証や固定資産税評価通知書などが必要だったり、上申書と言う誓約書のような書面を作成する必要があったりして、法務局によってまちまちです。

どのような書類が必要か調査するのも大変ですし、本来、手続きに必要のなかった権利証を持ち出さなければいけなくなるのも大変です。

このようなケースは抵当権抹消登記を完済後すぐに手続きしても起こり得るのですが、抵当権抹消登記を放置していると発生リスクは上がりますので、早めに手続きすることをお勧めします。